旅行客が大幅に減少した空港
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けている業種はたくさんありますが、航空会社や空港もその一つでしょう。
一例として、アメリカのピッツバーグ国際空港(PIT)では一日平均13,000〜15,000人の乗客が訪れていました。しかし今では、コロナウイルスの大流行が続いているため、PITは1日に1,200人程の旅行者しか訪れません。
PITの広報担当者Bob Kerlik氏は「我々は、ワクチンができるまでの期間とワクチンが接種できるようになってからの期間があると考えています 。ワクチンができるまでは、3月初旬まで(パンデミックが起こる前)のような安定した成長は見られないでしょう。」と語っています。
PITのような比較的小さな地方空港からATLのような巨大空港まで、世界中のほぼすべての空港がコロナウイルスの影響を受けています。
しかし、ワクチンの登場まで空港を閉鎖して待つことはできません。
旅行者の安全を確保しつつ、空港産業の衰退を防ぐために、通常であれば何年もかかるようなビジネスを根本から見直す必要があります。アメリカの技術サイトPopular Mechanicsがその点について説明しています。
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タッチレスチェックイン
IDカードやパスポートを使ったセルフチェックインスタンドは以前からありました。
しかし、これらのタッチスクリーンには1つの大きな問題ータッチする必要があります。
それに代わり、虹彩スキャンや顔認証といった生体認証技術が採用されていくでしょう。
実際、2018年からATLがデルタ航空と提携し米国に生体認証端末を導入していましたが、搭乗時に9分も節約できるというメリットがあったようです。
清掃ロボット
SF映画ではよく見るロボットが清掃業務を担う「ロボット清掃員」ですが、以前から取り入れていた空港もあるようです。
例えば、2020年5月に香港国際空港が導入した「インテリジェント滅菌ロボット」は、紫外線殺菌装置や空気清浄機を搭載し、全自動で動き回りながら床や壁だけでなく空気中も消毒することが可能とのことです。
また、PITは自律型フロアスクラバーにUV-Cライトを装備しました。UV-Cは、微生物を殺す方法として病院で何十年も使用されており、空港での殺菌にも有効です。
免疫パスポート
チリ、ドイツ、イタリア、英国、米国では、「免疫パスポート」の構想が持ち上がっています。これは、COVID-19にすでに感染していることを証明する物理的またはデジタル文書で、COVID-19に対する免疫があることを証明するものです。
これがあれば、社会的距離の制限を免除され、仕事や日常生活に戻り、より簡単に旅行することができるとしています。
しかし、Lancet誌に掲載された研究が指摘しているように、COVID-19から回復して抗体を持っている人が二次感染しないという決定的な証拠は今のところありません。
そのため、研究が追いつくまでは、免疫パスポートの有効性を証明することはできません。
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サーマルカメラ
ワシントン・ダレス国際空港(IAD)とフロリダのタンパ国際空港(TPA)では、新しいサーマルカメラが導入されています。
テキサスを拠点とする会社によって開発されたこのカメラは、皮膚の温度上昇を検出します。それがCOVID-19によるものなのか、別の病気によるものなのか、それとも別の問題によるものなのかは、今はテストを重ねている段階ですが、同社によると、非接触で旅行者をスクリーニングするために有効な方法だといいます。
防疫用トンネル
一部の空港では、荷物の出発から到着まで、空港全体でウイルスのない荷物を保つために消毒用トンネルを使用しています。
例えば、インドのインディラ・ガンディー国際空港では、乗客がカバンを渡すとき、そして到着時にカバンを受け取るときの2回消毒が行われています。
一部の企業は、人間用の消毒用トンネルを考案しています。Stretch Structuresは、「除染・衛生トンネル」と呼ばれるものを発表しました。同社は、霧状の殺生物剤と殺ウイルス剤スプレーを使用して、空港への入り口だけでなく薬局やその他の民間企業でもウイルスのない環境を作り出すことができると述べています。
世界的なパンデミックが収まったとしても、これからの空港は変わっていくだろうね