19世紀後半から20世紀初頭にかけてシマウマに乗る人々
シマウマはアフリカ原産の美しい野生動物です。20世紀初頭に多くのヨーロッパの植民地支配者は、馬に似ているシマウマを手なづけて乗り物にしようとしました。
しかし、シマウマを完全に手なずけるにはちょっと野生的すぎたようです。
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19世紀から20世紀初頭にかけてアフリカに進出したヨーロッパの植民地支配者にとって、馬を輸入する代わりに、ツェツェバエが媒介する病気抵抗力を持っていたシマウマを家畜化する方が魅力的に思えました。
しかし、アフリカの原住民がシマウマを家畜化しなかったのには理由があります。草を食べて歩き回る馬とは違い、シマウマはライオンやチーター、ワニなどのサバンナの捕食動物を警戒し、避け、戦うことに一生を費やしています。
シマウマは神経質で警戒心が強く、追い詰められると攻撃的になります。シマウマはキックでライオンを殺すこともできてしまいます。
そういった理由から、大規模な飼育は不可能でしたが、個々のシマウマを飼いならして馬のような仕事をさせることには成功しました。
ウォルター・ロスチャイルド卿(Lord Walter Rothschild)は、馬車を引かせるためシマウマを訓練しました。
1898年、ロンドンでシマウマの調教を務めたハーディ氏
1898年、イギリス、ケンジントンにある雑居ビルの一室に、有名な騎手で調教師のハーディ氏が住んでいました。これはフランス騎兵隊が使用した装置で 野性の馬のあらゆる動きに対応できるようになっていました。
馬車を引くシマウマたちと一緒にいるウォルター・ロスチャイルド卿、1895年
世界的な銀行家ロスチャイルド家のロスチャイルド(1868年~1937年)は、自分の動物園を所有していました。
シマウマ馬車 1890年代頃
1890年代、シマウマに乗る婦人
1890年代、ザンジバルでシマウマに乗っているドイツ兵
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1900年代頃、ケニアのシマウマ馬車
1910年頃、飼いならされたシマウマの背中に乗るドイツ将校
1913年、シマウマが馬車を引いてロンドンのブリクストンを通過する様子
このシマウマと馬車は、音楽ホールのアーティスト、グスタフ・グレイス氏の所有物で、彼のショーの宣伝に使われたものと思われます。
1923年、シマウマに乗るマーティン・ジョンソン夫人
1930年頃、インドのカルカッタで馬車を引くシマウマ
1935年、「世界で唯一乗れるシマウマ」ジミーに乗り、イギリスのバークシャー州の道路を横断するラフィン・レスリー氏
しましまの模様がおしゃれで、ロンドンの街並みを走るシマウマっていうのも似合ってるね