本物の代わりに水族館で泳ぐロボットのイルカ
クジラやサメ、イルカが水族館やテーマパークの小さな水槽に閉じ込められていることに、かわいそうだと考える人は少なからずいます。
でも、水族館は海の生き物について知るための教育に役立つ施設でもあります。
そこで、このイルカのようなロボットが、そういった問題を解決するかもしれません。
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水族館の抱える問題
動物園と違って、多くの水族館は生き物たちを訓練し、1日に何度も来園者のためにパフォーマンスをしています。そのことに関して、倫理的な問題が提起されてきました。
また、動物園も同様の倫理的な問題を抱えていますが、自然の生息地に近い形にするため、屋外展示物をより大きくしようとする努力がなされてきました。
しかし、水の生き物の場合、さらに広大な海のスケールを再現することは難しいです。
そうしたことから、問題を解決しようという努力がなされてきました。
20年前にイルカのロボットが登場する
20年前、ディズニーワールドのエプコットセンターにある水族館「The Living Seas」に、ロボットのイルカが登場しました。
このイルカは、水槽の周りを泳ぎ回り、ダイバーや本物の海の生物とコミュニケーションをとりながら、ゲストのために台本付きのパフォーマンスを行いました。
本物っぽくありながら、どこかコミカルな動きが愛嬌がありますね。
実際にロボットのイルカと触れ合うこともできた
さらに、ディズニーがバハマに所有するプライベートアイランド、キャスタウェイ・ケイ(Castaway Cay)では、ゲストが水の中に入ってイルカと触れ合う体験をていきょうしました。
ゲストは、それがロボットであることを知っていましたが、その体験はリアルに感じられ、楽しんだようです。
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そして、現代
20年にわたるロボット工学の進歩によって、サンフランシスコに拠点を置くエッジ・イノベーションズ社の特殊効果技術者たちは、ウォルト・コンティ氏とウォルト・ディズニー・イマジニアリング社の元クリエイティブ・ディレクター兼副社長ロジャー・ホルツバーグ氏と協力して、本物と見間違うようなリアルな動きをする、新しいロボット型イルカを設計・製作しました。
バッテリーで10時間動き、約10年間の耐久性があるとのことです。
このロボットのイルカは、実際の青年期のバンドウイルカの動きと外見をシミュレートして作られています。
それだけではなく、リアルな骨格や筋肉の構造、そして正確な体重配分によって、動きが実際に生きているかのように見えるように設計されています。
しかし、このイルカには、カメラやセンサー、自律的に動くためのAIは搭載されていません。ですから、近くにいるオペレーターがコントロールすることになります。
将来、もしAIが搭載されて自律して動くようになると、本物か偽物か見分けがつかなくなりそうですね。
将来には、本物の代わりにロボットの生き物たちが動物園や水族館に展示されるようになるかもしれないね
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