ロックダウン期間中に絵の材料を買いに行けなくなったなら
ロックダウンの期間中、多くのプロは仕事がないまま家に待機しなければいけませんでした。
彼らの多くは、腕がなまってしまわないよう、自分の技術や才能を何か別のことに使おうと考えました。しかし、物資が足りなくなって、お店に物を買いに行けなくなったらどうしますか?
ミラノ在住のイタリア人アーティストのマルタ・グロッシ(Marta Grossi)さんは、絵を描くためにシンクをキャンバス代わりにしました。
手を洗って創造性を保つプロジェクト
マルタさんは「ロックダウンによって、家からでられなくなったことからインスピレーションを得ました。」と説明しています。
「私はミラノに、いくつかの作業プロジェクトのため一時的に来ていたので、数着の服と水彩絵の具のセットしか持っていませんでした。皮肉なことに、この新しいアートプロジェクト『手を洗って創造性を保つ』は、COVIDがなければ絶対になかったと思います。」と語っています。
マルタさんは、何度も描けるキャンバスとして磁器のシンクの表面に、花、波、動物、その他にも色々なものを描きました。
技術を練習することは、隔離所での長い日々を過ごすのに良い方法でした。
美しい画像は彼女に希望を与え、思いがけない場所に美しさを見つけるのに役立ったようです。
シンクをキャンバスとして選んだ理由をマルタさんはこう説明しています。「"手洗い"というフレーズを何度も耳にしました。そこから、 流し台はすぐにキャンバスになりました。
シンクの中で水が作品を洗い流していく様子は、絵のイメージを変形させ、一時的で儚いものにしてしまいます。一時的なものだからこそ、私たちはその内容をより深く理解しようとします。一瞬一瞬を楽しみ、今を生きることができるのです。」
マルタさんはいつか、この『手を洗って創造性を保つ』プロジェクトを物理的に展示したいと話しています。「流した絵はもう存在しませんが、写真と思い出は永遠に残っています。」
洗い流せる絵は一時的で儚いもので、同じように人生も一瞬一瞬を楽しむ。アーティストの感性って深いなと思いました