まるで列車の様な車「オーバーランドトレイン」
1950年代初頭、テキサス州ロングビューに本社を置く重機メーカーのLeTourneau, Inc.は、ディーゼル電気トランスミッションを使用した多輪車のアイデアを開発しました。
各車輪をそれぞれ独立した電気モーターで駆動することにより、車両の牽引力をこうじょうさせています。
オーバーランドトレインは、同時期に鉄道で導入されていたディーゼル電気機関車に似ていますが、鉄製の車輪をゴム製の車輪に置き換え線路がなくても走れます。
スポンサーリンク
大型化した「オーバーランドトレイン」の開発
LCC-1の成功を受けて、1958年にアメリカ陸軍はより大きなバージョンのTC-497オーバーランド・トレイン・マークIIを契約しました。
LCC-1と似ていますが、マークIIにはどんな長さにも拡張できるように多くの特徴が盛り込まれていました。また、各車輪は電動で駆動され、最高速度は全負荷時で約20マイルでした。
メインの車は9メートル以上の高さがあり、調理室、バスルーム、寝台を備えていました。
長さは170メートル以上あり、さらにトレーラーを追加することもできました。
カーブをするときは、各トレーラーに信号を送って旋回するので、タイトなターンができました。
スポンサーリンク
完成したが実用されることはなかった
砂漠と雪での広範なテストを経て、TC-497オーバーランド・トレイン・マークIIは1961年に準備が整いました。
しかし、残念なことにアメリカ陸軍に採用されることはありませんでした。
あまりにも凝った作りのためコストが跳ね上がってしまったからです。また、重量物運搬用のヘリコプターが開発され、大型車は時代遅れになっていました。
実用化されなかったオーバーランドトレインは、アラスカ州ホワイトホースのユーコン交通博物館に展示されています。
せっかく完成したけど、実用化はされなかったんだね……