今では世界遺産に指定されている、イギリスのフォース橋は1882年に建設が始まり1890年に開通しました。100年以上経った今でも現役で使用されている橋です。
橋が建設された時は、世界で最も長いカンチレバー橋になりました。
建設時の様子を当時の写真とともに紹介します。
テイ橋の悲劇
スコットランドのテイ湾に架かるテイ橋はトーマス・バウチが設計し、1878年に開通したトラス橋です。ところがスコットランドは風が強く、テイ橋は完成した翌年の1879年に強風で崩壊してしまいます。ちょうど通過中の列車がテイ湾に落ち、75名の死亡者が出てしまいました。
19世紀に建設されたフォース橋
トーマス・バウチはフォース橋の設計も担当していましたが責任を問われ、フォース橋の建設は基礎工事に取りかかったところで中止してしまいます。
設計を引き継いだのはジョン・ファウラーとベンジャミン・ベイカーです。テイ橋の教訓からフォース橋は強風の影響を考慮して設計されました。
フォース橋（Forth Bridge）は、イギリス・スコットランドのエディンバラ近郊のフォース湾に架かる鉄道橋である。
全長2530mのカンチレバートラス橋で1890年に完成した。19世紀、「テイ橋の悲劇」をはじめとして強風による落橋事故が相次いだため非常に強固な橋として設計された。
引用元wikipedia
フォース湾を渡る鉄道橋を建設するという考えは1870年代に生まれました。
作業員は1883年に基礎を敷き始め、上部構造を支える橋脚を構築するために、ロートアイアン（鍛鉄）製のケーソンを海底に沈めるという危険な作業を3年に渡り行いました。
フォース橋は、水上150フィートに建設され、大型船が通過できるように設計されました。パリのエッフェル塔の10倍の金属が必要だったようです。
完成後、この橋はイギリスで最大規模の鉄骨建築プロジェクトであり、55,000トンの鉄鋼が使用されました。
フォース橋は、後に建設された道路と区別するためにフォース鉄道橋と呼ばれるようになり、象徴的な鮮やかな赤い色で彩られました。
世界遺産に登録される
フォース鉄道橋は、2015年の第39回世界遺産委員会で世界遺産リストに登録されました。
ユネスコは世界遺産に認定するにあたり、次のように評価しています。
“Its distinctive industrial aesthetic is the result of a forthright and unadorned display of its structural components,” writes UNESCO.
“Innovative in style, materials and scale, the Forth Bridge marks an important milestone in bridge design and construction during the period when railways came to dominate long-distance land travel.”
引用元construction
「その独特の工業的な美学は、その構造部品を率直に、そして飾らずに展示した結果である」とユネスコは書いています。
「フォース橋は、スタイル、素材、規模において革新的であり、鉄道が長距離の陸路移動を支配するようになった時代の橋の設計と建設において重要なマイルストーンとなった。」
現代の近代的な機械や安全装置が不足していたことを考えると、フォース橋の建設は、後の時代から見ると驚異的に思えるのではないでしょうか。
construction/designyoutrust/wikipedia
レトロな橋って、見てるとわくわくするよね
複雑な構造の建造物は見てて楽しいね
