学生時代に東ヨーロッパの研究をしていたキャスパー・モレナール(Casper Molenaar)さんは、アムステルダムの古本屋でドイツ人の写真家カート・ヒールシャー(Kurt Hielscher)の古い写真集を見つけました。
キャスパーさんはそれを使って何かしたいと考え、カート・ヒールシャーの写真と同じ場所を撮り、比較してみることを思い付きました。
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ヨーロッパの昔と今を写真から比べる
キャスパーさんは、今ではスペイン、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパの国々のカート・ヒールシャーの写真集をすべて手に入れ、それらの写真と現在の写真を比較するというプロジェクトを持っています。
今は、COVID-19のために、プロジェクトは中断していますが、そのプロジェクトの途中経過を公表しています。
Part1はこちらから
チェコ、プラハ、カレル橋(1941年と2020年の比較)
カレル橋から、プラハ城を見上げた写真です。
この橋は1357年、正確には7月9日午前5時31分、チャールズ4世が礎石を築いたことに由来します。
ブルタバ川にかかる幅10メートル、長さ516メートルの象徴的な橋には、30体の彫像が飾られています。
スペイン、アルカラ・デ・グアダイラ城 (1914年~19年と2019年の比較)
13世紀には、グラナダ王国と国境を接するセビージャの防衛線として使われていたそうです。
カート・ヒールシャーが写真を撮った頃は、約9000人が生活する静かな場所でしたが、この100年の間に8倍近くの人口が増え、かなり交通量が多くなっています。
クロアチア、トロギールのカメルレンゴ城(1926年と2019年の比較)
カート・ヒールシャーはここで8枚の写真を撮っていますが、美しいトロギールの景色を見ると納得できます。
15世紀半ばに建てられたこの城の周囲は、城の裏手にあるサッカー場で試合がある時以外は、静かな場所になっているようです。
チェコ、リトミエルジツェ(1941年と2020年の比較)
リトミエルジツェには美しい広場があり、お店やカフェ、レストランなどがあり、散策が楽しめます。
写真に写っているのは、ミュージアム「Oblastní Muzeum v Litoměřicích」です。
スペイン、サン・セバスチャン(1914-19年と2019年の比較)
キャスパーさんは、ウリア山を下っていくとあるRestaurante Mirador De Ulia(レストラン・ミラドール・デ・ウーリア)のガラス窓から写真を撮りました。
カート・ヒールシャーの写真に写っている旧アリーナは1973年に取り壊されました。
それから25年後の1998年、サン・セバスチャンの別の場所に新しい闘牛場がオープンしています。
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マケドニア、クラトヴォ、グロフチャンスキー・モスト(1926年と2018年の比較)
クラトヴォは、死火山の火口に建てられた塔や橋で知られています。
17世紀から19世紀にかけてオスマントルコ人がタバチュカ川にかかる4つの石造りの橋を建設しました。
スペイン、ポテス(1914~19年と2018年の比較)
ポテスはスペイン北部のカンタブリア州にある美しい村です。
カート・ヒールシャーは、スペインの写真集の中にポテスの写真を4枚掲載しています。
最初の写真には建物に紋章が付いていますが、キャスパーさんの写真にはありません。
この写真では見えませんが、右側のドアの上に取り付けられているようです。
クロアチア、シベニク(1926年と2019年の比較)
左手には、ユネスコ世界遺産に登録されている聖ジェームズ大聖堂(1431-1535)があります。
歩行者用の狭い石畳の道に隣接して、人々が生活しています。
クロアチアの他の海岸沿いの町ほど観光に力を入れているわけではないのかもしれませんが、のんびりとした雰囲気があります。
大聖堂のドームは90年代の戦争で砲撃を受けて大きな被害を受けましたが、再建されています。
コソボ、プリズレン、シナン・パシャ・モスク(1926年と2018年の比較)
プリズレンは、コソボ南部に位置する歴史的な都市です。
遺跡までの坂道歩きは、特に夕暮れ時の街並みは見応えがあります。
歴史的な建物や宗教的な建物、バーやレストランがたくさんありますが、観光客はまだそれほど多くありません。
建物に大きな変化がなくても周りの様子が変わっていくのが時代の流れを感じるね